魔都、上海にて…..
『魔都上海の街でおもうこと…..』というタイトルの、月刊誌のコラムがある。
『魔都…..』とは、うまく表現したものだと思った。
私も、この正月休みをずっと上海で過ごした訳だから、『魔都上海』という
表現には、共感をおぼえる訳だ。
(上海.外灘の夜景を大きな船に乗ってクルーズ……….華やかだ!! )
コラムはとてもむずかしい事が書かれているが、私は好きで読んでいる。
ビップの目線、ジャ-ナリストの目線、我々の様な一般庶民の目線…….
まったく違うだろうけど、私自身が『魔都上海』と感じた所以を書いてみたい。
(行き交う船も、奇麗にイルミネーションされていて華やか……..)
上海へ行った事には理由が有る……
『水滸伝』にすっかりはまってしまい、ブルーレイをどんどん借りて見ているうちに、
宋江も鉄牛、他の仲間も死んだり別れて行ったりで、私にしてみたら終わりが
本当にあっけなくやって来た。
そこで正月休みを利用して、『水滸伝』の地を訪ねて中国江南地方に行って見よう
と思いたった訳だ。
(三国城に行った。ここで、三国志の撮影をしたそうだ。戦闘シーンの
アトラクションが始まった……)
梁山泊の砦が在った水郷の地で、想像をめぐらせてみた。
一人遊びだ。
(かすんだ湖面のどこかから、宋江を乗せた船が現れそう……)
しかし一番長い時間は 、街中上海で過ごした訳で、そこで面白い事が
沢山有った。
魯迅記念館に行った時のこと………
説明員で出て来た周氏は、とても背が高く、スマートで男前、知的で
涼しげで誉め言葉を全部集めたような好青年だった。
魯迅先生の話しを聴きながら部屋をめぐっていると、同行していたT氏が
私の腕をトントンとつついて言った。
『なんだか様子がおかしく成って来たぞ~!! 』……と。
次の部屋に木彫りの観音像が置いてある。
衣に小さな文字で般若心経が彫られている。
私はというと……..能天気に、『アア、この観音さんを魯迅先生は
とても大事にしていたのだナ』と思った訳だ。
周さんは、いきなり 『これ30万円でいかがですか…..』と言い出す。
魯迅先生の説明が、どこで物品販売に変わったのだろう?
(孫文先生の上海の住まいにも行った)
でも、私にはどうしても魯迅先生と価値の解らない超高額品販売の
ドッキングが理解できない!!
周さんは、真面目な顔で続ける。
『こんなに沢山の手紙を頂いています。 観音像を買われた方々からです。
金沢の山本さん…..急に縁談がまとまりました。喜んでいます。
滋賀の高田さん……宝くじが当たりました。 700万円だそうです。
他にも、ホラ、こんなに沢山の感謝の手紙がきていますヨ~。 』と….。
でも、私には……
『ワ~ッ!! 何でもありヤ~!! 』と言う具合にしかとれない訳だ(笑)
その時、いっしょに行った大阪の夫人が、『買うてもええヨ!!…..』と言った。
楽しいワ~!!
『魔都』と感じた由縁は、他にもいろいろ有るのだけど~。
何か、面白い街やワ~….. 上海って。